バムとケロのにちようび
子供がまだ小さい頃、家には絵本がたくさんありました。子供が大きくなるにつれ、人に譲ったりしていって今ではもうほとんど残っていません。
でも、この「バムとケロのにちようび」の本は大好きすぎて今も私の本棚に置いています。
カエルのケロちゃんは小さな子供みたいなもんで、家の中をおもちゃやおやつでこれでもかというほど散らかしています。バムは、外に遊びに行けない雨の日も家の中で楽しく過ごそうと決め、文句も言わずに掃除をします。
ようやくきれいに片付いたところに、どろんこびちゃびちゃのケロちゃん!! それでもバムは怒らずに、ケロちゃんをきれいに洗って、部屋もピカピカに磨きあげます。バムは偉大なヨギーです。私はこんな時いつもぶちきれていました。涙。
おやつのドーナツを大量に作ってお茶を入れ、きれいに片付けた部屋でゆっくり本でも読んで過ごしたい日曜日。 古いものがいっぱいしまってある屋根裏べやに、おじいちゃんが大切にしていた飛行機の本を取りに行きます。
めったに足を踏み入れることのない屋根裏部屋で、はながムズムズしてきたバムがくしゃみをすると……、たくさんのガがぱたぱたとまい上がり、よく見ると、ねずみや虫なんかもうじゃうじゃいる!! びっくりして、お目当ての本を置いてきてしまったバムとケロは、知恵をしぼって工夫して、もういっかいあの部屋に戻って本を取り、いそいで逃げました。
楽しい生活を維持するって、いうほど楽ではありません。いつも笑顔で楽しい暮らしの提案を惜しみなくしてくれる料理家の栗原はるみさんのインスタを見ても思うのだけど、このキラキラした瞬間瞬間の狭間で、はるみさんはどれだけの気力と体力を駆使してたくさんの仕事を毎日せっせとこなしているのでしょう。なんて偉大なヨギーニ。
ヨガの教えのひとつに「シャウチャ(清潔、浄化)」というものがあります。これは、身のまわりの掃除はもちろん、自分の心身に対しても向けられるテーマです。
部屋の掃除って終わりがないからあんまり完璧をめざすと苦しいし、不快感を感じるほど不潔ではなく、汚されても怒らずに受け入れられるくらいが、きっとちょうどいい。そしてそのちょうど良さの感じ方はひとりひとり違っていて当たり前。
同じように、心身の浄化についても、意識されないほど深いところにあるモヤモヤは、そもそも自分ひとりで払いきれるようなものでもない。〝裏表なく透明な純粋さ〟みたいな非現実的な理想にとらわれず、バムやケロが屋根裏部屋におじいさんが大事にしていた本を取りに行ったみたいなやり方で、諸々のモヤモヤに囲まれた今の自分の本心に気づく事ができれば、とりあえずはそれで充分なんとちがうかしら?
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