つかんでは離す
アスリートが競技に出場する場合、様々な道具に加えて、テニスコートや野球場やスケートリンク、サッカーグラウンドや陸上競技場などの舞台が必要になります。競技によっては、そこに対戦相手やチームの仲間や観客が揃ってはじめて行う事ができます。
アスリートはその舞台で自分と向き合い鍛錬を重ねる中で、様々な充実感や達成感を味わいます。
ヨガの準備は(もし手元にあれば)マット一枚ひいたら完了です。この小さなスペースで、自分の身体ひとつだけを使って、練習をする事ができます。
マットの上にいる間は、自分の内側に次々にわき起こる感覚や感情や思考に耳を澄まして、何かを捉えたなら、例えそれが今現在のところ目を逸らしたくなるような状態であったとしても逸らさずに一度しっかりと観て、今たしかに自分の身に起きた事だと認め受け入れてから、次に進みます。
あれもこれも全部自分の一面だと認めざるを得ない状況に自らを追い込んでいきますが、このひとつひとつ「つかんでは離す」という地道な作業は始めてみると驚く事に、苦しみではなく安らぎであるという事に次第に気がつきます。
誰にでも開かれていて、続けるほどに確実に自分が変化していくのを実感する事ができます。
そして、この練習は息をしている限り続ける事ができます。
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