「万引き家族」

話題の映画、「万引き家族」を見ました。

そういえば昔、自分の結婚式の招待状を出した時、書道家の叔父からの返信にひとこと、式についてなのか、新生活についてなのか、

“うまくやろうと思わないのがうまくいくこつらしいです”

と書いてあったな〜、と数十年前の記憶がふと蘇るくらい、俳優さんの演技に全く力みがなくて、それ故か、自分の底から揺さぶられるような映画でした。

現代の景色を切り取るように撮って、2時間という限られた時間に収まるように編集された映像に、監督の作為が入り込まないはずはないのに、まるで複雑に入り組んだ社会で今起きている事を飲みこみやすいサイズにまとめて手渡す事だけが唯一の意図であるかのような作品で、押しつけがましい感じが全くなく、とても飲みこみやすい。

でもそれは、なんていうか、あくまでもノーメイク風に作りこまれたメイクみたいなものであって、ストーリーとしても、意志や計画性といったものを否定して、ただひたすら自然な成り行きに任せた状態を肯定するものとはなっていないのが、また考えさせられます。


何事によらず、極端に偏らずにバランスを取る事の難しさを思います。



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