エンジンをかける


 この前の月曜日、ヨガのレッスンの後に家に帰ってきて車をとめる時、急に変な乗り心地がしました。一度エンジンを切ってから、気になって再びエンジンをかけようとしたところ、なぜか急にエンジンがかからなくなってしまいました。ついさっきまで普通に走れていたのになぜ??


 自動車整備会社に持って行くこともできないのでどうしたものかと思い、ディーラーに問い合わせてみたところ、夜に出張点検に来てもらえる事になりました。

 夜になって担当の方が来られて、いざエンジンをかけてもらったところ、何と一発で普通にエンジンがかかるではないですか!


 エンジン音や電気系統にも特に異常は見られないという事でひとまず安心したものの、一体なんでこんな事が起きたのか聞いてみると、原因の断定はできないものの、まれにエンジン内部の何らかの詰まりや劣化などでエネルギーの圧縮、燃焼の工程が上手く働かず、一時的にこのような症状が起きる事があるという事でした。

 エンジンの仕組みを知らなかったのでネットで調べてみました。GAZOOの初心者向けエンジンの仕組みとスペックについてのコラムから引用します。


  「現在ほぼすべてのクルマに採用されているのが、「吸入→圧縮→燃焼→排気」という4つの工程で、1つの動作を完結させる「4サイクル(4ストローク)」という方式です。一般的なガソリンエンジンを例に解説すると、“4つの工程”はこのようになり、すべてシリンダーの中で行われます。


(1)吸入:吸気バルブをあけて、空気とガソリンの混合気をシリンダー内に吸入します

(2)圧縮:バルブを閉じると、ピストンで混合気を圧縮します

(3)燃焼:圧縮された混合気をスパークプラグで点火すると、爆発・燃焼します。燃焼すると混合気が膨張し、その圧力でピストンが押し下げられ、この力が動力となります

(4)排気:押し下げられたピストンが上に上がってくるとき、排気バルブをあけて排ガスを外に出します 」


 

 不具合が起きてようやく車の内部構造に意識が向いて調べてみると、人の心肺機能や細胞内の代謝の構造によく似ていることに気づきます。


 ヨガではアーサナ(ポーズ)やプラーナヤーマ(呼吸法)の技法を通じて循環器系や呼吸器系を浄化し、健全な循環の維持を心がけます。特に、多くの技法のなかでも、車のエンジンをかけるのに必要不可欠な「圧縮」の工程にあたりそうなのが、ムドラー、バンダという技法です。


 B.K.S.アイアンガーの「ヨガ呼吸•瞑想百科」によると、ムドラーというサンスクリット語は、「封印」とか「鍵」という意味で、身体の開いている部分を閉じる姿勢や指をいろいろな特別な形に組む事をあらわします。

 また、バンダには「束縛」「結びつける」「捕まえる」という意味があり、特定の内臓や身体の部位をつかんだり、収縮させたり、コントロールしたりする姿勢をさします。


  「電気が生じたら、電力を目的地に運ぶために変圧器、電導体、ヒューズ、スイッチ、絶縁電線が必要であり、そうしなければ電気が無駄になってしまう。同様に、プラーナヤーマの実践によってプラーナがヨギの体内を流れるとき、エネルギーの分散を避け、害なく適切なところにエネルギーを運ぶため、バンダを適用する事が必要である。

 …バンダはエネルギーを分配すると同時に、体内の過度な流通による無駄を防ぐ」

 

 ヨガというサンスクリット自体、「結びつける」という意味を持っています。「境界」を持つ物理的な存在でもある自分自身のバルブを一度しっかりと閉めてエネルギーを燃やして動きながら、内なる健全な循環の維持をはかり、その心地よい流れを内観します。


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