2021年もありがとうございました

今年一年を振り返った時に、なぜだか印象に残っていて何度も思い出す場面があります。


秋頃、ショッピングモールに買い物に行った時、アウトドア用品店でボルダリング体験ができるというのを見つけて、挑戦してみる事にしました。

そこでは3〜4箇所くらい登る場があって、平日で空いていたけど、全部埋まっていたので順番を待っていました。


その内のひとつで小学校高学年くらいの女の子が挑戦していたのを何となく見ていたら、登り始めて少ししたところで動きがピタっと止まってしまって、泣き出してしまいました。

大人が背伸びして手を伸ばしたら何とか届きそうな位置だったので、インストラクターのお兄さんが、下から受け止める体勢で声をかけていたけど、その女の子はもう怖くて体が固まってしまっていて、それ以上登る事はもちろん、手を離して助けに身を委ねる事もできない様子でした。


なかなか状況が動かないので、側で見ていた女の子のお母さんと、私も加わって、インストラクターさんは自身も綱をつけて登って横から、お母さんと私は下から、女の子の体を支えられる体勢をとって「手を離して大丈夫だよ」と声をかけました。

それでもしばらくの間そのまま、女の子はしがみついた手を一ミリも離す事ができなくて、もう筋力も限界にきているのか足が震えはじめたところでようやくインストラクターさんに引き剥がされるようにして地面に降りる事ができました。


その一部始終を見届けてから、いざ自分が登る順番が来たので、実際に自分の手足を動かして登り始めてみました。そしてすぐに、そう丁度さっきの女の子が固まってしまった辺りの高さで、


「あ、見ていた時に想像していたより、実際は、もっと筋力も柔軟性もいる」


と気づいて、ちょっと無理かもしれないから登る前にやめとこうかな、と一瞬迷いがやってきました。


心の迷いはやってきたけど、同時に、一旦動かし始めた手足をすぐには止められなくもなっていて、少しの葛藤の感覚とともに登り続ける内、身体が充分にあたたまってくるにつれて心の迷いは消え、そのままてっぺんまでたどり着きました。


最後、綱を両手で握ってるとはいえ、思いきって飛ばなくてはなりません。上から下を見おろした時、登り始めてすぐにやってきたのと同じような恐怖感がまた一瞬やってきたのを横目でちらっと見ながら、思いきって飛んでしまえば、怖さはすぐに消えてなくなりました。


今年は、このホームページでも休講と再開のご連絡に終始してしまいました。実生活でも不安定な状況を感じる事も多い日々ではありますが、不安な時こそ、ひとりで身体をかためてしまわないように、少しずつでも手足を動かしておく、という事の大切さをあらためて感じた出来事でした。



今年も一年、一緒に体を動かしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。


どうぞ良いお年をお迎えください。

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